レーザー核融合

レーザー核融合発電

 レーザー核融合発電では、まず炉(熱エネルギーを取り出すための容器)の中心に直径5mmの球状燃料ペレットを打ち込み、これを数百万ジュール**の高出力レーザーパルスで一様に照射します。レーザー照射を受けた燃料の外側は高温となり数千万気圧もの圧力が発生するので、球状の燃料はその中心に向かって圧縮されます(爆縮)。こうして瞬間的に核融合反応を起こさせます。これを1秒間に数回の割合で繰り返すことにより、連続的にエネルギーが発生するので、これを外部へ導くことにより数百万キロワットの発電を行うことができます。

**約1リットルの水を加熱して沸騰させるために要するエネルギー

 レーザー核融合発電におけるエネルギー収支は次のようになります。爆縮し、核融合反応が起こった燃料ペレットからは投入されたレーザーエネルギーのQ倍のエネルギーが放出されます。Q=1は投入したレーザーエネルギーと発生した核融合エネルギーが均衡する点に相当するのでブレークイーブンと呼ばれます。発生した熱エネルギーは効率ηgの発電システムで電力に変換され、外部に送電されますが、その一部(ε)は発電所の所内電力やレーザー光を発生させる循環電力として用いられます。この電力からレーザー光を発生させる効率をηdとすると、外部からエネルギーを供給することなく自立運転するには、これら4つの要素の積Q×ηg×ηd×εが1を上回る必要があり、現実的な効率を考慮すると、Q=100を達成することが一つの目標となります。

レーザー核融合発電の特徴:

  • 炉に関する設計の自由度が高く、現存する材料で概ね設計可能である。
  • 発電に必要な主要機能は独立性が高く、短期間に開発できる可能性が有る。
  • 同じ規模の磁場核融合発電所で比べた場合、取り扱う放射性物質であるトリチウムの量が少ない。(約1/10)
  • プラントの出力、運転モードの自由度が高く、消費電力ピークに柔軟に対応できる。

爆縮と点火方式

 高温高密度に圧縮された核融合燃料はプラズマ状態になります。プラズマは電気を帯びた粒子なので、その静電気力にうち勝ち、強制的に核を衝突させて融合反応を起こさせる必要があります。このためには1億度以上の温度、200g/ccの密度(液体水素の1000倍の密度)、10億分の1秒以上の保持時間の3つの条件が満足される必要があります。これらの条件は図に示すような燃料の爆縮で実現します。レーザー照射を受け、球対称に圧縮された燃料の中心でまず燃焼条件が満たされ、自己点火します。核融合の火は周りの燃料に燃え広がり、爆発的にエネルギーが放出されます。この方式を「中心点火」と呼びます。このほか、燃料が最大に圧縮された瞬間、別のレーザーで外部から燃料を追加熱する「高速点火」と呼ばれる新方式の研究も開始されました。

 

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